危機対応における記者会見

弊社のニュースレター(インテリジェンス11月号)に性加害問題が公になったことで開催された記者会見の問題をテーマにしたクイズを出題しました。

□出題の趣旨

創業者の性加害が公になった芸能事務所(以下、「J社」と記します)の不祥事では、様々な問題が指摘されました。特に、リスクコミュニケーション(≒危機対応における記者会見)については批判を受け事態をさらに深刻化させた感があります。そこで、今回は、J社のリスクコミュニケーションの問題を取り上げることとしました。

問 J社のリスクコミュニケーションに関する以下の記述で、妥当なものはどれか。

                               (回答は1つです)

#1 J社の代表取締役の意向や利益に偏っていた感がある。これは同代表が非公開会社であるJ社の100%株主であることを考えれば仕方がないといえる。

#2 弁護士が同席し記者に説明した。この点については、唯一かつ最重要のテーマとなるコンプライアンスすなわち法令を順守するという姿勢を見せる上で評価できる。

#3 企業が社会的責任を果たし正当な利益を確保するという目的。さらに経営者の利益を守る(経営体制を維持する)という目的。J社のリスクコミュニケーションは、このふたつの目的の達成に失敗したが、両者の目的はときに対立する。

#4 「一記者一問」、「追加質問なし」あるいは会見時間の限度を決めておくなどをした。この種の制限は、危機対応としての記者会見(リスクコミュニケーション)では極めて重要といえる。